ouchi zakka

バス停の側の、道端の階段のそば。そこには1挺のはさみがある。御伽話にでてくる裁縫セットにありそうな、田舎の地主の蔵にありそうな、深い物語を想起させるそれは、開業当時からこの店を見守っている。

このハサミは、店主が七尾市の義父の実家から譲り受けたもので、10年ほどの月日と雨風の力を借りて馴染んでいった。歴史と情緒を軽やかに感じさせてくれる看板は、ここがひがし茶屋街の入口であることも思い出させてくれるようだ。

もう一つの看板は、階段を登ったその先にある。絵本の表紙かと思うほど軽やかで可愛らしい。あたらしい雑貨に出会うワクワク感を胸に階段を登ると、自然と足は軽くなる。そんな我々を出迎えてくれる、優しい看板がそこにはある。